初めての岩原ピットイン(2004年3月13日〜15日)
2004年3月13日(土)
朝6時に新潟に向けて車で大阪より出発、近畿自動車道、名神高速、北陸道、関越道と渋滞ゼロで無事午後2時半に到着。
現地の方から聞いていた通り、チェーンは準備しておくだけで、ノーマルタイヤで充分でした。但しお宿のピットイン前のゲレンデは積雪量180cmとのこと。

最後までお世話になった松木さんの信頼厚い岡マネージャーにご挨拶。岡さんはマネージメントやミュージシャンの方、一般客の方々の対応はもちろんのこと、シェフでもあり、日本酒利き酒名人資格、スキーインストラクターの資格などお持ちの方で、しかも男前!リピーターの方が多いのでは?と思ってしまいました(笑)。
今回は松木さんが14日、15日のライブであるにもかかわらず、うちの家族の為にわざわざ一日早い13日に来てくださるということで松木さんの到着予定の夕方まで、かみさん、長女、次女、三女は早速スキーを、そして僕は部屋で松木さんを待つことに。
そして1時間程度経過したところで部屋にいる僕へ電話が。「下のロビー付近にいるから来いよ」との松木さんの声。昨年の夏以来のご対面と成りました。レストランにて満面の笑みで大阪から出向いてきたことへの労いのお言葉。そうこうしているうちに夕食を早めに用意して頂き、家族全員と松木さん、付き人の加藤さんとの夕食です。
なんと、酒を呑めない下戸の僕の為に松木さんはわざわざドンペリニヨンのシャンパンを1本用意してくださっていました。
「山本は酒が呑めないけど、これなら呑めるだろうと思ってもってきた」と、シャンパングラスに注いで頂き、全員で乾杯!
そして、呑めない僕がほぼこのシャンパンを独り占めしてしまい、夕食が終わる頃には・・・・空けてしまいました。
どうも心地よく酔ったことがなかったもので、この時ばかりは、家族も松木さんもこんなに僕が陽気になるとは想像していなかったとのことです。
僕自身も心も「てるてる家族」とばかりに心地よかったです。うーん、今度から養命酒は辞めてシャンパンにしようと。
その時のドンペリのコルク栓がこちらの証拠写真です。
そして少しずつ音楽の話へ・・・昨年からクラシック・ギターを始めた中2の長女とフォーク大好き中年の僕だけの為に、「じゃ、部屋行って
ギターでも弾こうか?」と小・ギターレッスンが始まりました。
長女に「何か弾いてご覧。」といい、ブーレという曲の途中までを松木さんの新しいヤマハのエレガットで弾きました。ここで松木さんはクラシックは何百年という歴史があることや、4〜6弦のベース系の運指方法、1〜3弦のメロディ系の運指方法について細かくわかりやすく説明。そして今度は今弾いたブーレを即座に松木さんがほぼ同様に弾きました。結花は目が点状態で、何故こういう風にすぐ弾けるか?ということを先ほどと同様に説明してくださいました。ベースの音、動きからコードのルートや3度、5度の音などを瞬時に見つけ出し、トップはどう動くか・・・などです。
そして禁じられた遊びを原曲のEmではなく、Fmで弾くことができるか?ということを話題にそれぞれの楽器には弾きやすいKeyがあること、またAny keyで弾けることが編曲にも繋がることを説明してくださいました。クラシックにはコードを見て弾くということを基本的にはしないため、逆にコードで曲を関連付けると、何かが見えてくる・・・そういうことも。
そして次に翌日のリハーサルの時にプレイしていたクラプトンによって大ヒットした「チェンジ ザ ワールド」を弾き始めました。最初は
原曲にほぼ近い形で、そしてボサノバ風に、カントリー風に・・・・そして瞬間!エリック・ゲイル的フレーズが登場!その時僕自身の大好きなフレーズだったためニコニコとしてしまい、松木さんが長女に「パパが今、表情変わったのわかった?パパはこういうのが好きなんだよ」と(笑)。
話は飛びますが、僕がコピーしようとして出来なかった、松木さんやエリック・ゲイルのフレーズに「♪ダバダター↑♪」というのがあります(笑)。いわゆるグロバー・ワシントン Jr のMake me a memoryで弾いているようなフレーズです。
僕が、「それはどういう風に弾いているんですか?」とついに教えを願うと、「エリック・ゲイルとコーネル・デュプリーの差がお前にはわかるか?」的ニュアンスの話になり、「エリックおじさんは、**の**をこうして、やっているんだ。ただそれがとてもうまいの。」とついに種明かし!!!!
「エーッ!松木さん、僕知りませんでしたわー。絶対にここをこうしていると思っていたのに・・・・・」「ははは、みんなそう思っている。でもほんとは違うの。でもさこういうのが出来るってギターの基本だろ?お前でも出来るぜ。あっ、今ならお前より、結花に教えた方が早いな」とのこと(泣)。
うーん、どうして他のブルージーなギタリストがエリック風に弾けなかったか・・・・わかりました。ボリュームペダルも使わずして何故あんなに柔らかく、フェイド・インして弾けるのか・・・・わかりました・・・・いやいやまだわかっていません。その表情を見取り
「6月の関西公演の後、2泊しにおまえんち行くから、その時、すべて教えてやるよ。松木風のやり方だけど、メモるものはメモり、
録画、録音するものはして、全部お前にそっくり教えてやっからよ!」とのお言葉が・・・・・ああ、こんなこと長女と二人占めしていいのかしら?と思いつつ感謝!
さて次は僕の番です。ここで緊張のあまり、結花は卒倒しそうになり、おやすみなさいと部屋へと戻りました。
僕はスリー・フィンガーを教えてください!ということで、松木さんの前でスリーフィンガーを弾きました。「全然違う。お前のは空中浮揚しているから右手が安定しない。よってアルペジオである分散和音が一粒一粒リズムになっていない」とのこと。早速ここでも松木さんは基本のスリーフィンガーを弾いてくれました。「右手の腹をちゃんとブリッジに乗せる。そして基本はスリーフィンガー。フォーフィンガーだと余計な指も増えてくるし、コントロールが更に難しくなるから、たいていはこのスリーフィンガーでカバーできる。ピックも同時に持ったまま弾けるしな」と。
うーん、しかし僕って基本も何も出来ていなくってギターを抱いていたんだ・・・・そうショックに打ちひしがれていると(笑)、松木さんは「ちょっと下でも行って呑もうかなー」と小・レッスンは夜の12時に終了となりました。そして松木さんの後をついて下のバーに行くと、とても美しい女性と岡マネージャーが。そしてその女性の方を紹介してくださり、「では本日はこの辺で失礼します」と言うと、「お前の為に来たのに、もう寝るのか?あっ、そう?帰れ帰れ!」とにこやかに気遣ってくださり、松木さんはそのままマネージャーさん達とまだ少し呑みつつ、僕はフェイド・アウト。この後、岩原ピットインご自慢の温泉につかり、部屋に戻るともう午前2時でした。
3月14日(日)
さて朝ご飯の電話が鳴る8時前に朝食へ行く準備をしていたら、三女がもうすでにレストランへ偵察に行って帰ってきて、「松木さん、おったで」と。
そして8時に朝食に行きました。
松木さんの生徒さんの大悟さんから聞いていた噂の納豆ご飯についにありつけました。
松木さんはもう5時ぐらいから起きていたみたいで、ゆったりと朝からビールです。
そのときの写真がこちら!


「今日は他のメンバーや、リー女史が午後2時ぐらいから集まって3時からリハが始まっちゃうから、昼飯は上で食べようか?」と
お気遣いして頂き、「あっ、それがひょっとすると岩原名物のリフトに乗って山小屋で雪見酒する所ですか?」「そうそう、土地の人しか食べない本当の野沢菜や、お汁粉、そばなどがあるから、俺は一足先に上に行ってから、昼になったら上がってこいよ。「やましん」ってひらがなで大きく書いてある店だからすぐわかる」ということで、僕達はスキーをすることにしました。そしてスキーを始める時に松木さんがまたしてもスキーの基本をかみさんと僕にコーチしてくださいました。「山側へエッジを立てて体重をこっちへ移動するとこうなるよ・・・・」という具合に。そして松木さんのレクチャーが終わり、松木さんはリフトに乗って一人雪見酒へ。
そうこうしているうち、松木さんから携帯電話が。「もう昼になっちゃうと混んで来るから早く来な」という連絡で全員リフトでやましんへ。
松木さん、お酒片手に「ラーメンもそばでもたいがいあるからこれで食べな」と昼食代まで全部出して頂き、ごちそうになります!
月見うどんに、そばに、お汁粉に野沢菜と家族全員お腹一杯になって大満足です。しかも、三女は松木さんに食べさせてもらう始末!
その時の写真がこちらです。


そして、写真の通り、三女の手を引いて、このまま下のほうに見えているリフト乗り場(この更に下にピットインがあります)
に向かって徒歩で、時には追いかけっこしながら、下っていく後ろ姿の松木さんを見ながら、「今晩の演奏の負担にならないかしら?」と思いつつ僕も後ろを追っていきました。

下にやっとの思いで到着すると、ピットインの前のゲレンデの向こうの駐車場から、岡沢さんがにこやかに手を振っていました。早速松木さんと岡沢さんの愛車レンジローバーの元へ。アンプ類を岡マネージャー達が運ぶのを見つついよいよ、「ライブが始まるんだなー」という緊張感。あっ、実は、この日ピットインの入り口で日野皓正さんを発見。頭を下げると「雪のコンディションはどう?」っと気さくに話かけて頂きました。
松木さんに聞きましたら、近くのスキー場で加山雄三さんといっしょにスキーを滑る番組で来ているそうで、遊びにピットインへ来られたみたいでした。
そして松木さん達がリハーサルをしている間、ピットインの前でリハから流れてくる音楽を聴きながら、「これってすごく贅沢」と思いつつ段々と夜へ・・・
もちろんケイコ・リーさんのボーカルも聴こえたり、岡沢さんは窓から子供達に手を振ってくれながら演奏していました。
Live Time
夜の8時にオープンなので10分前に演奏会場となるレストランに行くと、もうすでに宿泊客の人たちの列が。もちろん一般客よりも優先で席に着く事が出来ました。
このとき、いつもの東京のオフ会でおなじみの高城さんや個人的にハワイ等のことでお世話になったさとこさん達とご対面。大悟さんから堀越さんもご紹介頂きいよいよ胸が高鳴って参りました。
席は前列2列目でした。いよいよ8時30分。まずは第一部はHIPでの演奏です。Affirmationのエレガットでの演奏からスタートです。今回はケイコ・リーさんの肖像権の関係もあり、ほとんど写真、録音はしませんでした。
唯一のライブ写真がこちらです。

第一部でのHIPの演奏を聴きながら、「こんなバンドってやっぱりいないよなー」と考えたり。しかし、岡沢さんのアイコンタクトや盛り上げ方がかなり今回は意識して聴いていました。もちろん野力さんがソロにいった時の他のメンバーの音使い・・・・うーん、この辺りは書けば書くほどもう終わりそうにないので、ぜひ皆様、HIPの演奏へ足をお運びください。
さて、いよいよ第2部。ケイコ・リーさんの登場です。まずは、ご自身でピアノを演奏されながらの曲。CDの音源で聴くサウンドとは全然違う!
この声量、声の柔らかさ、そして自由にコードがチェンジしている上、間・・・・・すべてを知り尽くした艶っぽい、それでいて時には激しく、時には語りかけるように優しく・・・・・すみません。僕の文章表現では書けません、これ以上。やはり生で聴かないとわからないことがあったのは確かでした。
そしてあっという間に鳴り止まぬアンコールの拍手に応えて登場!なんとGブルースを演奏です。そしてHIPのメンバーの方達にいきなりソロ!(笑)
しかし1コーラスでもしっかり皆さんの緊張感とその場でしか出ないであろう素晴らしい音楽が表出したのは言うまでもありません。
ライブの後はほとんど宿泊者の東京のオフ会メンバーさん達になってしまいました。
そしてメインのテーブルではメンバーの方達の打ち上げが始まりました。そして、松木さんにケイコ・リーさんをご紹介して頂き、ケイコさんのお知り合いの方とケイコさんの間を三女が走りまわり「あっ!」と思ったらしっかりとケイコさんにハグされていました。
本当にメンバーの方もケイコさんも気さくな方で、やはりすべてに気を使わないとこんな感じにならないんだろうなと思いつつ、岡沢さんに演奏中のことを色々とぶしつけながら質問攻めに・・・・
岡沢さんが、何故HIPのメンバーか、そしてサポートやスタジオでやっていることとどう違うか、丁寧に語ってくださいました。
それは、HIPが松木さんのバンドであって、一見、気心知れたメンバーでやっているように見えるけど、自分が入ったバンドで一番「緊張感」を持ってやっているバンドであると。「それはきっと野力も渡嘉敷も感じているはずだよ。だから手を抜けないし、緊張感を持って演奏するということが結果としてお客さんに絵をみせることができるんだよ。」と。岡沢さんは絵画を例に出して、「例えばどこか適当に描いてしまったり、途中で部分的に手を抜いて描いたものを展覧会で出展はしたくないよね?絵は描きあがったものをゆっくりと幾度でも観る事ができるけど、音楽は聴いてもらって感動させて心に残すことしか出来ない絵画かなと思うんだ。 僕達はお客さんに僕達の絵を観てもらっているようなもので、それが4人でやっていて、もしも緊張感が無くなったり、無い状態で演奏したら、結果として出展したくない絵を観せることになっちゃうんだ。だからどのバンドよりも緊張感がある。これだけは絶対他のバンドでは有り得ないぐらいの緊張。だから、スタジオやセッションをしている人達がこのバンドに遊びに来たりするんだよ。それは他のバンドやスタジオワークでは決して得られない「緊張感」を求めてなんだ。」とおっしゃっていました。そしてやはり「このバンドでの音源化を望む声があるんだけど、それをしちゃうとまた色々な面で望まないことをしなくちゃいけなくなったり、それがひょっとすると松木さんの望んでいないものになっちゃう可能性があるからね。」ともおっしゃっていました。やはりHIPは聴きに行く事が一番です。うーん、それってでも音楽の基本ですよね。何事も生が一番!
夜も更け、大悟さん達との会話も盛り上がり、あっという間にまたしてもそろそろお開きになり、皆さん「おやすみなさい」の挨拶で14日の夜は終わり。
3月15日(月)
今日は朝ご飯は9時からということでレストランに行くと松木さんが既に来られてもう呑まれていました。岡沢さんも現われて早速ビールを(笑)。
今日は大阪へ帰るのが10時なので急いで朝食を済ませ、加藤さんには荷物を運んで頂き、松木さんは相変わらず手の焼く三女の相手をしてもらいつつ駐車場へ。13日よりもはるかに天気が良く、気持ちも晴れやかに6月の関西で会えることを願ってお別れとなりました。帰る車の中では三女が声高らかにブルーライト・ヨコハマを唄っていました。
こんなに気持ち良く過ごせましたこと、また場所、時間があったことに感謝の気持ちで一杯です。
またこの場を借りまして、松木さん、HIPのメンバーの皆さん、ケイコ・リーさん、加藤さん、岡マネージャー、スタッフの方々、東京オフ会の方々本当にありがとうございました。
と、この文章を書いている時に、宅急便で松木さんから「笹団子」と「野沢菜」の想い出の詰まった贈り物が届きました。ありがとうございました。もう、こんなにしてもらったら死んでしまうかもしれません・・・・
(写真・文章:編集長)
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